第2場のあらすじ
モンテローネに呪いの言葉をかけられてしまったリゴレット。この時代において、呪いの言葉の意味合いは強く、またリゴレットは信心深い人間だったこともあり、呪いの言葉を恐れます。
そんなところに現れたのは、ヒットマンのスパラフチーレ。リゴレットに「御用があらば、なんなりと」といいますが、リゴレットは差し当たり問題ないと告げ、スパラフチーレを帰らせます。そして、リゴレットはただ自分が道化師になるしかない体であることを嘆きました。
家に帰ると、リゴレットを迎えてくれたのはリゴレットが愛してやまない情婦ではなく――可愛い愛娘ジルダでした。ジルダは帰ってきたリゴレットに自分の父親の素性や生まれてまもなく生き別れてしまった母親について尋ねます。しかし、リゴレットはジルダに、汚れた世の中を教えたくないと考え、教会へ行くため以外には外出してはいけないと厳しく言って去っていきます。
去っていった代わりに現れたのはマントヴァ公爵でした。彼が美しいと思っていた娘はなんと、リゴレットの娘のジルダだったのです。リゴレットに知れてしまっては大変だと変装するマントヴァ公爵。そして、マントヴァ公爵はジルダと接触し、自分の愛をジルダへと告白します。ジルダは初めての告白に戸惑うものの、相手は百戦錬磨の女好き。ひらりとかわせるわけもなく、すっかりマントヴァ公爵――ではなく、彼が変装した貧乏学生グワルティエル・マルデにジルダは思いを寄せてしまいます。ここで、マントヴァ公爵は人の往来をさっしてその場を去っていきます。ジルダははじめての胸のたかなりに喜びを隠しきれませんでした。
そんな中、リゴレットに苦汁を飲まされてきた廷臣たちは、リゴレットに一泡吹かせてやろうとリゴレットの情婦をさらおうと計画していました。といっても、廷臣たちが情婦だと思っているのはリゴレットの娘であるジルダ。ですが、そうとはしらずに、廷臣たちは着実に計画を進めていきます。
そこへ嫌な予感がして帰ってきたリゴレット。ジルダを攫おうとする面々と鉢合わせになるものの、リゴレットはそんな計画があることなど知りません。廷臣たちは向かいのチェブラーノ伯爵夫人を誘拐するために協力してくれとリゴレットに頼みます。当然断る理由のないリゴレットは協力しようとしますが、それは当然の如くそれは嘘。廷臣たちはリゴレットに「誘拐」に協力させるべく、目隠しをしてしまいます。
目隠しをしたまま「誘拐」に協力するリゴレット。気づくと攫われていたのは可愛いジルダ!そう、リゴレットは騙されてしまったのです。可愛いジルダを奪われて「呪いだ!」とリゴレットは絶叫しました。
ところはマントヴァ公爵の屋敷の一室。昨日愛を語り合った愛しの君ジルダが誘拐された!それを聞いたマントヴァ公爵は、いつもならばそして気にかけないというのに、今回ばかりはジルダの身を案じていた。しかし、廷臣たちがマントヴァ公爵に若い娘を用意したと聞くと、マントヴァ公爵はそれがジルダであることを悟り、意気揚々と廷臣たちが用意した場所へと向かいます。
一方、娘を奪われたリゴレットは落ち込んでいるかと思いきや、娘を救おうと道化師として道化話をしながら情報収集にいそしんでいました。ことの犯人であろう廷臣たちに探りをかけ、はぐらかされつつもなんとかジルダの情報を得て、ジルダがいるだろう部屋へと向かいます。
リゴレットはジルダがいるだろう部屋の前にやってくると、ジルダが飛び出してきます。ジルダはマントヴァ公爵に裏切られたとリゴレットに言うも、裏切られてもマントヴァ公爵への愛情は変わっていないこともリゴレットに伝えます。「そうか、そうか」とジルダに言いながらも、リゴレットの心にあるのは、マントヴァ公爵への復讐心でした。
マントヴァ公爵に復讐しようとするリゴレットであったが、ここで大きな問題が浮上します。それは、ジルダのマントヴァ公爵へ対する捨てきれない愛情でした。裏切られたというのにまだジルダはマントヴァ公爵を愛しているのです。本当であれば、こんなものはリゴレットもジルダに見せたくはなかったでしょう。ですが、これも可愛いジルダのためと、リゴレットはとある旅荘の壁穴を覗かせます。
壁穴をのぞいたジルダの目に飛び込んできたのは愛しいマントヴァ公爵。しかし、その彼が歌うのは「女は皆気まぐれだ」という歌。そしてマッダレーナという踊り子を口説き始めます。しかも、ジルダを口説いた時とはまったく言っていることが逆なのです。それを悲しむジルダ。それを見て諦めただろうと考えたリゴレットはジルダにヴェローナに立つように命じます。
さぁ、ここからがリゴレットの復讐劇の始まりです!残ったリゴレットは、ヒットマン・スパラフチーレにマントヴァ公爵の命を奪い、その骸を自分に渡せと依頼して、スパラフチーレの前から去ります。
丁度マントヴァ公爵は、酔ってしまってベッドで眠っています。これを逃す手はないとスパラフチーレは仕事にかかろうとします。しかし、ここでマントヴァ公爵に惚れてしまった哀れな子羊が登場します。それはマントヴァ公爵が口説いていた踊り子マッダレーナ。さらに彼女はスパラフチーレの妹でもあったのです。スパラフチーレもヒットマンとしての心得をしっかり重んじてはいるものの、妹の必死の懇願には敵わず、身代わりを立てることにしようと提案します。
その兄妹の話を聞いてしまったのは、リゴレットに旅立つように言われて、本来ならばいないはずのジルダ。身代わりがいなければ、愛しい人は永遠の眠いについてしまう!それをさけるため、ジルダは意を決し身代わりとなることを決断します。そして、ジルダはドアを叩きました。
スパラフチーレからマントヴァ公爵の骸を受け取るリゴレット。これで復讐劇は終わる!意気込んでリゴレットはマントヴァ公爵の骸が入っているだろう袋を川へと捨てようとしたその瞬間でした。
なんと、今はもう骸となったはずのマントヴァ公爵の歌声が聞こえるのです。何年もマントヴァ公爵の下で働いてきたリゴレットのこと、その声を聞き待ち合えるわけがありません。慌ててリゴレットが骸の入った袋を開けてみれば、袋の中に入っているのは――、虫の息となった愛しいジルダ!ジルダはリゴレットに、言いつけにそむいたことを詫びならも、自分の愛した男のために天に召される事の至福を歌いながら息絶えます。
残されたリゴレットは叫びます。「ああ、あの呪いだ!」と。
リゴレットの復讐劇で綺麗に終わるかと思いきや、最後まで悲しい目にあうリゴレット。これはいうまでもなく悲劇といえます。しかし、リゴレットに使われる音楽には、明るい音楽もいくつかあります。特に、マントヴァ公爵が歌う「女心の歌」は、誰しも一度は聞いたことのあるフレーズの曲です。何度も言うようですが、リゴレットというオペラはとても音楽も素晴らしいものです。オペラ自体の終幕は悲劇となり、好き嫌いが激しいものではありますが、一度リゴレットに使われる音楽に触れてみてはいかがでしょうか?